下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
肛門から挿入し、直腸から盲腸までの大腸を調べます。この検査により、炎症、大腸ポリープ、大腸がんなどを診断し、必要に応じてポリープの切除や生検を行います。大腸がんの発症は加齢や生活習慣と関連がありますが、ほとんどは腺腫という良性の病変からから発生します。早期の切除が大腸がんの予防につながります。一般に、大腸がんは進行しても自覚症状が現れにくいため、定期的な内視鏡検査が早期発見のために重要です。
苦痛を軽減する大腸内視鏡検査の特徴
安静状態での検査も可能
鎮静剤を使用して安静な状態で検査を行うことができます。鎮静剤は、患者様の不安や苦痛を軽減することで腸のつっぱりなどによるお腹の張りや吐き気を和らげることができます。鎮静の程度は体重や年齢に合わせて調整し、安全性を最優先に考慮しています。また、鎮静剤の使用により、緊張が緩和され、内視鏡の挿入がスムーズに行なわれ、検査の質を向上させることができます。
鎮静剤が推奨される方
- 大腸内視鏡検査を初めて受ける方
- 大腸内視鏡検査に不安や恐怖心を強く持たれている方
- 以前受けた大腸内視鏡検査で、強い痛みや苦痛を経験された方
- 腹部の手術、特に婦人科手術をされたことがある方(腸が癒着している可能性があり、強い痛みを生じることがあります)
検査終了後は、鎮静剤の効果が切れるまでしばらく休憩していただくため、安心してご帰宅できます(鎮静剤を使用した場合、自動車、バイク、自転車などの運転はできませんのでご注意ください)。
日帰り大腸ポリープ切除
大腸内視鏡検査中に発がんリスクのあるポリープが見つかった場合、必要に応じて直ちに切除します。大腸腺腫は大きくなるとがん化するリスクが高まるため、小さいうちに切除することが重要です。大きなポリープや切除後の出血リスクが高い場合は、他の病院への紹介や入院での処置が検討されることもあります。検査時にポリープをその場で切除することで、繰り返しの検査や下剤の使用が軽減されます。
感染症に十分配慮した安心できる内視鏡検査
使用する内視鏡や処置具は、日本消化器内視鏡学会が定めているガイドラインに準拠した消毒衛生管理を実施しておりますので、安心して検査を受けていただけます。
大腸カメラはこのような方にお勧めです
- 血便がある方(出血は痔によるものと思っていても一度確認しておくことをお勧めします)
- お腹が張って腹痛も伴う方
- 下痢や便秘がひどい方
- 健康診断などで便潜血反応が陽性だった方
- 過去に大腸ポリープがあった方
- 血縁者に大腸がんになった人がいる方
- 40歳を過ぎて一度も大腸内視鏡検査をしたことない方
大腸内視鏡検査でわかる代表的な疾患
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
- 大腸憩室症
- 感染性腸炎
- 虚血性腸炎
- 痔核
大腸ポリープ
大腸ポリープの多くは無症状ですが、健康診断で便潜血反応が陽性になることがあります。遺伝的要因や食生活の欧米化が関与しているとされ、全てのポリープががんに進行するわけではありませんが、リスクを評価するためには大腸内視鏡検査が必要です。定期的な検査によりポリープを早期に発見し、15ミリ以下であれば、日帰りでの切除が可能です
大腸がん
大腸がんによる死亡者数が増加している要因として、平均寿命の延長や食生活の欧米化が挙げられます。自覚症状が少なく進行が進んでから気付かれることが多いため、早期発見が重要です。排便異常や血便の有無、便潜血反応が陽性である場合には、定期的な大腸内視鏡検査を推奨致します。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎 クローン病など)
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜にびらんや潰瘍を引き起こし、下痢や血便、腹痛、しぶり腹(便意があるが出ない、少量しか出ない)、重症化すると発熱、体重減少、貧血などの症状が現れることがあります。この疾患は難病指定されており、近年増えています。原因は明確ではありませんが、適切な治療により症状を抑え、通常の日常生活を送ることができます。定期的な大腸内視鏡検査が必要です。
また、全消化管と潰瘍病変を生じるクローン病も難病指定されています。
大腸内視鏡検査の流れ
1.検査予約
2.検査前日
夕食は21時までに済ませてください。
水、お茶、スポーツドリンクは夜間も摂取可能です。
前日用の下剤を服用して頂きます。
3.検査当日
- 常用されているお薬は検査予約時の指示通りに服用してください。
- 水、お茶、スポーツドリンクは摂取可能です。
- 当日の下剤を服用します。
4.検査
安静状態において検査をご希望の方は、鎮静剤を注射しリラックスした状態で検査を受けていただきます(鎮静剤を希望されない場合、注射はありません)。
※検査時間:25~30分程度(挿入困難な方やポリープ切除の状況により所要時間は変わります)
5.検査後
6.結果を説明
大腸内視鏡検査の費用
1割負担
3割負担
大腸内視鏡検査
(※生検なし)
1,160円
2,480円
3,650円
大腸内視鏡検査
(1臓器)
2,320円
4,960円
3,650円
大腸内視鏡検査
(2臓器)
3,490円
7,450円
10,960円
※生検とは病変の組織を一部採取して、顕微鏡で確認する検査です
※上記費用に診察料、薬剤料などが別途かかります
大腸カメラ 前後の注意事項
- 検査前日は、体調を整えるため早めの就寝を心がけてください。
- 鎮静剤を使用される方は、検査後、自転車やバイク、車の運転はできません。どなたかの付き添い、お迎えの手配が必要です。
- ポリープ切除を行った場合、出血予防のため2~14日程度の間は、激しい運動・飲酒・遠方への旅行などは控えていただいております。
- 組織生検を行った場合、出血予防のため当日の飲酒は禁止です。激しい運動やサウナ、長時間の入浴も控えていただき、軽いシャワーなどでお済ませください。
- 検査後の食事制限はご説明させて頂きます。
申込みについて
この検査は予約制です。ご希望の方は予約ボタンから「内視鏡・エコーのご予約」を選んでお申し込みください